「ヒヤリハット」は
22/01/26
「ヒヤリハット」は事故防止が第一
「事例報告件数を競うこと」は目的になっていませんか?
皆さんの事業所でも、良質なサービス提供のために様々な取り組みをされていると思います。
しかし、その中には「目的」と「手段」が混同しているものも見受けられます。
ある会社では、事故を無くすため、各事業所に「ヒヤリハット」事例を出してもらい、全社で共有することにしました。コレ自体は有効なことです。
多数の事業所を運営しているため、毎日沢山の事例が報告されました。
社長は、従業員が自分の支持を守っていることに満足でした。しかし、中には「今日は報告なし」という事業所もあります。
事故ゼロが目的なのですから本来は喜ばしいことですが、社長は「ヒヤリハットをあげてこないのは、真剣に考えていないからだ」と思い、「毎日必ず1件は報告するように」と指示をだしました。
そのため各事業所は無理矢理「もしかしたら、あれはヒヤリハットだったかもしれない」というレベルの事例をひねり出さなくてはなりませんでした。
ヒヤリハット事例が蓄積されれば、それを防ぐノウハウも構築されますので、事例報告は自然に減っていきます。
この会社の目的はここだったはずです。
しかし、いつの間にか「報告すること」が目的になっていました。
皆さんの会社でも、今行っている取り組みが、本来の目的と違ってしまい、現場に負担をかけていないかどうか、確認してみてはいかがでしょうか。